【赤ちゃんと栄養~その2~】アレルギーの知識を…

前回は、『離乳食は、生後4~5か月にはスタートさせ、生後6か月には鉄分など、必要な栄養素を赤ちゃんの口からたくさん摂取できるようにしていきましょう!』と説明しました。

では、ついでにアレルギーのお話もしておきましょう。

離乳食のスタートが遅ければ遅いほど、アレルギーのリスクが上がることを、皆さんはご存じですか??

『えっ!腸がしっかりできるまで待った方がアレルギーが少ないんじゃないの??』なんて思っていませんか?
それは大きな間違いです。

もう少し正確にお話すると、生後4~5か月の離乳食を始められる時期が来たら、いろんな種類のものを早く口から摂取するとアレルギー防止に役立つんです。

赤ちゃんの皮膚で、例えばちいさな掻き傷や、ジュクジュクした湿疹、その他何らかの理由で皮膚のバリア機能が弱っている場合に、皮膚から食材が体内に入ることで、身体はその食材を『外敵』とみなすそうです。

身体が外敵とみなす前に、口から摂取して「これは食べ物ですよ~」と身体に教えてあげることが大切なんだそうです。

ただし、現時点でお子さん皮膚からどんな食材が入り、外敵とみなされているかはわかりません。

ですので、新しい食材を食べさせる際は以下の点で注意しましょう。

【離乳食開始の注意点】

1.新しい食材を試すには、平日の日中にしましょう。病院がやっているときが安心です。特に、そば、ピーナッツ、エビカニなどの甲殻類は注意しましょう。

2.1回の食事で試す種類は1っ種類で。何種類もまぜて与えてしまうと、アレルギー症状が出た場合、どれが原因かを特定するのが厄介です。

3.試す食材は、初めはほんの少量から試します。耳かき1杯程度から。大丈夫なら徐々に増やしていきましょう。

4.もし、症状が出ても、ぶつぶつや赤みが出る程度であれば、さほど大きな心配はいらないといわれています。でも、かゆみがあれば病院で抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)を処方してもらいましょう。残りは取っておいて、また症状が出たときに使いましょう。
もし、ぶつぶつ、呼吸困難、せき込み、嘔吐などの症状が2つ、3つとかさなる場合はアレルギー症状としては重めなので、慌てないで、すぐに病院へ行き、適切な処置を受けましょう。

5.症状があっても軽い場合は、落ち着いたらまた、前より少し減らした量から始め、少しずつ食べ続けることがアレルギー改善の治療となります。
よく卵アレルギーのお子さんは、大きくなると治っていることが多いですよね。あれは、いろんなお惣菜やお菓子など、さまざまなものに入っているため、あえて積極的に食べなくても、自然と少しずつ摂取していけるので、知らず知らずのうちに治ることができるんです。
また、アレルギーは、その日の体調によっても症状の出やすさや、問題なく食べられる量にも差が出てきます。とにかく、あまり怖がらずに少しの量を食べ続けることがポイントです。

6.ただし、そば、ピーナッツ、甲殻類は例外です。症状が重いことも多いので、それらの食材には注意が必要です。症状が出たときには、速やかに受診し、今後は、病院で負荷試験などを行い、お子さんがどの程度食べられるのかを調べてもらう必要があるでしょう。少数ではありますが、こういった方がたは、医師と2人3脚ですすめていきましょう。安全第一ですから。

いろんな食材をたくさん食べて、元気もりもりのお子さんに育つよう、アレルギーの知識、上手に活用してくださいね。

投稿者: rosemary@olivenurse

看護師歴20年。保健・養護教諭免許。公認心理師。